遠隔診療における診療報酬の考え方

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IoT技術の医療現場への導入や、AIによる補助診断技術の開発などで、遠隔診療の活用が活発に議論されるようになっています。特に従来からの電話診察との差異に着目して診療報酬についても、中央社会保険医療協議会が基本的なスタンスを明らかにしています。

中央社会保険医療協議会が示す診療報酬の基本的な考え方

中央社会保険医療協議会は2017年12月開催の第375回開催の総会で2018年の診療報酬改定を踏まえて、遠隔診療についての論点整理を行い、将来発展が予想される遠隔診療の診療報酬についての論点整理を行いました。特に情報通信技術を用いた遠隔診療等は基本的な考え方を明らかにしているのです。対象は特定された疾患・患者についてであり、急変時に対面診療を行えること、医師と患者で事前に合意しており、安全性と有効性のエビデンスが確認され治療計画が作成されていること等の条件を充たすものを、遠隔診療と定義づけ、このような条件を踏まえた医療体制を備えた場合には診療報酬の支払いも、実体に合った額の算定を認めることとしています。

電話再診との違い

従来からも電話を利用して診察行為の一部代替する方法は、臨床現場においても広く行われてきました。対面によらない医療を提供する点では共通項が見られるため、遠隔診療についてはわざわざ別に取扱うまでも無いとの考え方もあるところです。この問題に対しては、中央社会保険医療協議会は同総会で遠隔診療と現行の電話再診とは目的や趣旨に違いがあるため、その実体にあった現行の電話再診とは異なった診療報酬体系を設けることを提案しています。その上で新たな報酬体系の適用が認められる上では、既述の遠隔診療の定義に該当することを前提に、対面診療との違いも配慮して対面診療よりも低額に抑えること、月一回のなどの算定額の上限を設定するなどの方針も表明されているのです。

外来の医学管理と在宅の医学管理の違い

また従前行われてきた、外来や在宅での医学管理との違いについても、対応案を示しています。外来の医学管理は一定期間異常継続的に療養管理している患者であって、対面診療にオンライン診療などを併用する事に積極的意義が見出される場合には、オンライン活用で遠隔診療の評価を検討することを提案しました。さらに在宅での医学管理は、月一回以上訪問診療を行っている患者であり、訪問診療にオンライン診療を併用する事で、訪問診療の医学管理の継続や訪問を行う医師の負担軽減にも資すると評価されるのであれば、オンラインによる在宅時の医学管理にも評価を検討することを提案しています。このように診療報酬の検討対象にされるほど、遠隔診療は長足の進歩を遂げていると評価出来るのです。

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