改めて知っておきたい次世代の医療を担う遠隔診療とは

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「遠隔診療」とは、通信技術を利用して離れた場所で行う医療活動のことです。医師と患者が直接対面せずに離れた場所からインターネット等オンラインシステムを介して様々な診断、診察を行います。

2017年に行われた「未来投資会議」において、次世代の診療としてこれをしっかりと評価していくという方針が打ち出され、患者にとっても医師にとってもメリットが多いこの診療方法は今大きな注目を集めています。

2018年度の診療報酬改定で遠隔診療を評価する方針に

自宅や外出中でも、スマートフォン・テレビ電話を使用して医師の診療を受けられる遠隔診療。政府は2018年度診療報酬改定で、この遠隔診療に対して一定のインセンティブを与える方針を表明しました。遠隔診療に対して消極的な態度をとっていた医師会も、対面診療を原則とはしつつもその有用性を認める発言をしており、医療現場においてもその有効性や安全性の確認作業、適切な運用のためのガイドライン作成に着手する動きも見られています。

情報通信技術が著しい発展をしている中、これを取り入れるという動きは今後も続いていくことが予想され、患者にとっての便利さだけでなく医師の働き方改革に資するような活用が遠隔診療に求められています。

医者にとっての遠隔診療のメリット

現在多くの病院において病理医の不足が問題となっています。特に大規模な病院においては手術中における患部の検体判断には病理医の存在が欠かせないものとなっていますが、その不足から病理医を配置できない病院もあるという現状があります。遠隔診療を利用することで、患部検体の画像や動画を送信し手術中でも遠くにいる病理医の判断を仰ぐことができるというメリットがあります。病理医にとっても病院間の移動の手間が軽減でき、より業務に集中することができます。

このほか病院側に適切な診断医がいない場合に、他の箇所にいる専門医に診療を行ってもらうといったこともでき、患者側の満足度を高めるとともに診断ミス等を減らすメリットもあります。

患者にとっての遠隔診療のメリット

患者にとっての一番のメリットとは通院に手間が一切かからない点です。自宅や外出先から診察が受けられるため、通院時間や診察待ちの時間がなく、患者側の負担が大きく軽減されます。とくに離島やへき地に住んでいる方などにとっては、大きな利点となるでしょう。

また患者の病状に最も適した専門医とは遠隔診療により容易に連絡が取れるため、従来の病院のように専門外の医師が診察を行うというケースも少なくなり、精度の高い診察を受けることが可能です。

パソコンやスマートフォンの操作ができないご高齢の方などに対しては、医師側から端末を起動できるよう設定するなどの対策をとることで、遠隔診療のメリットを十分享受することはできるでしょう。

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