遠隔診療に関する厚生労働省からの新しい通知。その内容とは
- By: E-face
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厚生労働省は情報通信機器を使用した遠隔診療について、2017年7月14日に医政局長名で各都道府県知事に対して通知を発しました。遠隔診療だけで完結する禁煙外来や電子メール、SNSの利用が可能であることを明確化しています。
遠隔診療の適用が可能な対象を離島やへき地の患者に限定しない
厚生労働省による平成9年の遠隔診療通知では医師や歯科医師が患者と直接対面することが基本とされていますが、患者側の要請に基いて遠隔診療を行なうことも可能です。新しい通知では。平成9年の通知が遠隔診療の適用対象して挙げている離島やへき地の患者が例示に過ぎないことを確認しました。つまり離島やへき地の患者に限定されず遠隔診療ができます。患者側の利点を十分に勘案した上で直接の対面診療と適切に組み合わせるならば、情報通信機器を使用して治療を行なうことが可能とされます。また必ずしも直接の対面診療を行わなければならないわけではありません。状況によっては離島やへき地の患者の患者に限らず、対面診療をせずに遠隔診療ができます。
遠隔診療の適用疾患や診療内容を限定しない
厚生労働省による平成9年の通知で別表に掲げられた遠隔診療の対象と内容は例示に過ぎません。遠隔診療における適用疾患や診療内容は限定されておらず、どのようなものでも必要があれば情報通信機器を使用した診察が可能です。保険者が実施する禁煙外来については、医師の判断により対面診療の必要性を柔軟に取り扱っても直ちに医師法に抵触しないとされています。禁煙外来における対面診療の必要性を判断する場合には、定期的な健康診断・診査の確認と患者側の要請などの事情を勘案する必要があります。厚生労働省の見解では、患者側の理由により対面診療が中断し情報通信機器を使用した診療が行われる場合でも直ちに医師法に抵触するわけではないとされます。
対面診療と組み合せるなら初診でも遠隔診療が可能に
また従前行われてきた、外来や在宅での医学管理との違いについても、対応案を示しています。外来の医学管理は一定期間異常継続的に療養管理している患者であって、対面診療にオンライン診療などを併用する事に積極的意義が見出される場合には、オンライン活用で遠隔診療の評価を検討することを提案しました。さらに在宅での医学管理は、月一回以上訪問診療を行っている患者であり、訪問診療にオンライン診療を併用する事で、訪問診療の医学管理の継続や訪問を行う医師の負担軽減にも資すると評価されるのであれば、オンラインによる在宅時の医学管理にも評価を検討することを提案しています。このように診療報酬の検討対象にされるほど、遠隔診療は長足の進歩を遂げていると評価出来るのです。