遠隔診療に対する医師会の見解とは?

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昨今、過疎地域の医師不足や医師人数の偏りなどが指摘されています。そんな中で注目を集めているのが遠隔医療です。遠隔診療を進めることにより、高齢社会における医療が円滑に行えることが期待されています。医師会ではこの遠隔診療について公式見解を発表しています。

遠隔診療はあくまで対面診療の補完的な役割

医師会では医師不足の解消や患者さんの負担軽減のために遠隔診療が行われることを基本的には推奨しています。しかし、曖昧に運用されてしまうと逆効果となってしまったり、効果が薄くなってしまったりする恐れがあることから様々な条件を設けています。中でも非常に重要となるのはあくまで対面診療の補完的な役割を担うことです。実際に治療を行ったり、ましてや手術を行ったりする際には対面で無ければ上手くいきません。ただ、患者さんの様子や病態などを確認する上では遠隔診療が活用できます。現代の医療は対面と遠隔のバランスが大切であり、遠隔の方ばかりが充実するのは本末転倒であるとの見方もあります。補完的な役割としての遠隔診療には大きな期待が寄せられています。

かかりつけ医が病状の経過観察や指導を行うのは有効という考え

過疎地域など周囲に病院が少ない場所に住んでいる方には特に遠隔診療が非常に便利です。病を抱えている方にとって病院に毎回訪れることは容易ではありません。かといって病院の近くへと引っ越しするのも大きな負担になります。遠隔診療はそういった状況への強い味方と言えるでしょう。医師にとっても遠隔で経過観察や指導を行うことでよりたくさんの患者さんを診察できるようになります。医師会では遠隔診療に関して複数の規定を設けているので、医師はそのことを踏まえた診療を行う必要があります。また、その結果によって患者さんの病状に異変があった際にはすぐさま対面での治療を行うことが求められます。遠隔で何もかもが完了する訳ではありません。

遠隔診療は対面診療と組み合わせ

遠隔診療を行う大きな意義の1つに移動時間が存在しないということが挙げられます。医師が患者さんのもとを訪れるにしても、患者さんが病院を訪れるにしても移動時間が発生します。遠隔での医療はこの移動時間がないため、多くの患者さんが医師に診てもらうことが出来ます。ただ、遠隔診療には限界があることにも留意しておかなければなりません。医師会では遠隔に関する技術が向上していることを認めていますが、同時に適切に運用されなければならないともしています。継続して安定したシステムの中で患者さんを診療することが重要となります。医師会も遠隔と対面を組み合わせることを重要視しており、遠隔のみに偏った診療が行われることは好ましくないと言えます。

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