2018年の診療報酬改定による遠隔診療の今後の動向
- By: E-face
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2018年の診療報酬改定によって、遠隔診療は一体どのように変わっていくのでしょうか。診療報酬というのは、治療をしたときにその治療に応じて医療機関に支払われる報酬のことです。時代とともに変わっていきますが、これが医療にどう影響するのかは多くの人が興味を持っている分野でもあります。
オンライン診療料・医学管理料の新設や電話等再診料の見直しへ
今後、診療報酬が改定されていくと、現在すでにあるオンライン診療科の形が大きく変わっていくことになると考えられます。具体的には医学科、管理科という新しい診療科が設立されたり、電話等による診療の再診の診療費が見直されたりしていくのです。従来の制度では、電話で診療を受けても、カルテ上に記録が残らない限り、再診に患者さんがこなければ、診療費が支払われないということもありました。しかし遠隔診療が盛んになってくると、このような従来の体制では医療が機能していかなくなる可能性があります。今後は遠隔診療でも、診療費が支払われるような体制に徐々に変わっていくことと思われます。少しずつ実態にあった形になっていくことでしょう。
遠隔診療の市場規模はますます成長することが予測される
診療報酬改定によって、遠隔診療の市場規模は今後ますます成長していくことが予測されます。なぜなら今後技術的に遠隔診療が可能になっていけば、そちらの方が特に地域医療に関しては対応しやすいからです。地域には医者の数が足りないというのはかなり前から問題になっていましたが、今後遠隔診療が発展していくことで、それが少し解消される可能性があります。その可能性が十分に見込まれる場合、国は遠隔診療に多大な診療報酬を与えることが考えられます。したがって、診療報酬が改定されることで遠隔診療の市場規模が大きくなっていくことは想像に難くないと言うことができるでしょう。その新たな時代の波はもう既に近くまで来ているのです。
緊急の対応ができない欠点を補完する体制や技術的な工夫が求められる
遠隔診療にもいくつか問題があります。基本的には遠隔診療を事前に行っていることが決まっており、万全の準備を行ってから診療に入る場合には問題にあまりなりません。しかし患者さんの容態が急変することによって土壇場で処置が必要になった場合には、まだ解決しきれていない課題が山積みなのです。例えば、遠隔では処置を行う手技の精度に限界があります。医師が思ったようにロボットアームが動かないと、患者に対する処置の精度が下がってしまうことが考えられます。また、診療報酬も緊急の場合にどのように対処していけば良いのか明確には決まっていません。このように緊急の対応が、技術的にも体制面でも難しいのが現状です。今後どのようにこの課題に対処していくのか議論が必要になってくると考えられます。