医療機関も特に都市部では人口に対して過剰気味で、いわゆる「医者あまり」の状態が近年長く続いています。そんななか患者の満足度を上げる取り組みが続けられており、そのひとつが技術の発展で可能となった遠隔診療です。

患者の通院の手間や心理的ハードルを解消する遠隔診療

遠隔診療は、通信手段の発達で必ずしも患者さんと直接会わなくても会話や画像などから診療を行うことが出来ます。高齢者であれば免許を返納していたり、公共交通機関が不便でなかなか医療機関への通院が難しい患者さんもいるのです。そのためこの遠隔診療を導入することで通院のハードルは下がり、もっと気軽に受診や通院を行ってくれることが期待できます。タクシーなどで往復すれば費用も馬鹿にならないですから、特に長期の通院が必要な患者さんほど費用面でのメリットが大きくなるシステムだと言えるでしょう。心理的にも「病院は怖い」という気持ちを抱えた方は多いもので、そういった人にとっても遠隔で診察を受けられるのは安心できることとなっています。

受付や会計の待ち時間を短縮する効果もある

患者さんが医療機関に直接足を運ぶことで、駐車場がいっぱいになったり受付に手間取るなどして人の渋滞が起こってしまうことがあります。皆健康体ではないのでじっと待っているのもつらいものですから、直接の診察の必要性が低い患者さんを遠隔診療に回すことで医療機関内の待ち時間を減らし、患者さんや職員全体の満足度を上げることが可能です。特に受付待ちの時間は長いうえ、「ちょっと外出」していると順番を飛ばされますから時間の使い方としてとても非効率的なものになります。来院する患者さんが減れば職員の負担も少なくなるため、病院経営さまざまなメリットが出てきて結果的には良質なサービスにつながり、医療機関の評判を高めることもできるでしょう。

患者の満足を第一に考えて導入を検討してみては？

地方であれば車を手放してしまっていたり、都内で電車に乗っても歩くのが辛かったりする患者さんは多いものです。それらの人にとって通院それ自体が負担ですから「直接診察の必要がある」または「直接診察してほしい」といった患者さんの要望がなければ遠隔診療は医療機関・患者さん両方にとって大きなメリットをもたらします。現在は病院の評判をすぐにインターネット上で調べられますし、パソコンやスマートフォンで検索をする高齢者も増えていますので「患者満足度」を高めていくことが今後の病院経営の質を決定づけることになるでしょう。遠隔診療やその他、患者さん目線のサービスを取り入れることで経営の質が上がり、それが評判につながる好循環が生まれます。